運用する場合なら年金受給は繰り上げた方が得になるのではないかという、少し無責任なツイートをしてしまったので、実際に計算してみた。
あらかじめひとつ言い訳をさせて貰うと、自分も親を持つ子であって、他人事として検討するわけではない。
どうもmicanと申す
年金の受給金額は1ヶ月繰り上げると0.5%減額され、1ヶ月繰り下げれば0.7%増額される。
65歳から受け取る場合100%の額面で受け取るところ、
60歳から受け取れば30%減額された70%を受け取ることになり、70歳から受け取れば42%増額の142%を受け取ることができる。
60歳と70歳では倍以上になるわけだ。
70% -> 70万円
100% -> 100万円
142% -> 142万円
というように変換する。
計算結果は変わらないはずだ。
70万円 * 10年 = 700万円
を70歳になるまでに支給されていることになる。
70歳に繰り下げて受け取る場合は、60歳からに繰り上げた場合に対して+72万円もらえるから、
700 / 72 = 約9.7
約9.7年、80歳を迎える頃にお得になる。その後も倍以上もらえるわけだから、差は開くばかりだ。
100万円 * 5年 = 500万円
を70歳になるまでに支給されていることになる。
65歳から貰う場合に対しては、70歳へ繰り下げしたら+42万円もらえるから、
500 / 42 = 約11.9
約11.9年後、82歳の誕生日までには上回ることになる。
長生きリスクに対するヘッジとして考えるのであれば、繰り下げた方がずっといい。
もちろん、70歳までの生活に問題がない場合だ。
むしろ受給を60歳に繰り上げて、支給されたお金を自ら運用するという選択肢も当然検討されて良い。
6%複利で運用した場合の資産
繰り上げを行えば、69歳時点で900万円を超える資産になる。
これは、確かに魅力的ではある。
60歳からもらっていた場合に対して、
922.7 / 72 = 約12.8年
65歳からもらっていた場合に対して、
563.7 / 42 = 約13.4年
まったく運用しなかった場合に比べて多少伸びてはいるが、それでも82歳83歳という年齢になれば、繰り下げした方が得だったことになる。
長生きリスクヘッジであれば、やっぱり繰り下げたい。
この場合、目的は長生きヘッジではなく、資産の最大化になる。
この場合の損益分岐点は90を超える。
逆転の瞬間を表でみてみよう。
90歳以上長生きするのであれば、繰り下げが得になってくる。
年金だけで億り人になれる可能性があるというのは、実に愉快である。
年金を運用に回せるのはそもそも資産家であろうが。
パフォーマンスが高ければ繰り上げが有利になり、低ければ繰り下げが有利になる。
繰り上げが逆転を許さなくなるのは、8%のパフォーマンスから。
面白いので、いろいろ計算してみたらいいと思う。
死ぬまで運用し続けるなどほとんどの人にとって論外だし、
ある程度運用したところで配当金を生活費に当てるにしても、年6%だと、70歳繰り下げのキャッシュフローを上回ることはない。
8%のパフォーマンスを出せるなら別だけど、老後にそんなリスクとる?
結局自分が面倒を見ることになる自分の親になら、老後の刺激としてパフォーマンスを追うことを勧めるけど。
(もう繰り上げちゃったみたいだし)
ということでござった。
mican
あらかじめひとつ言い訳をさせて貰うと、自分も親を持つ子であって、他人事として検討するわけではない。
どうもmicanと申す
繰り上げると70%、繰り下げると142%
厚生年金の方も同じ率であるように思われるが、よくわからない部分もあるので、とりあえず基礎年金の話と考えて欲しい。年金の受給金額は1ヶ月繰り上げると0.5%減額され、1ヶ月繰り下げれば0.7%増額される。
65歳から受け取る場合100%の額面で受け取るところ、
60歳から受け取れば30%減額された70%を受け取ることになり、70歳から受け取れば42%増額の142%を受け取ることができる。
60歳と70歳では倍以上になるわけだ。
運用しない場合の損益分岐点
これから損益分岐点をみていくけれど、差額を考えるのに %(パーセント)という単位は少し面倒なので、今後70% -> 70万円
100% -> 100万円
142% -> 142万円
というように変換する。
計算結果は変わらないはずだ。
60歳からは80歳まで
60歳から受け取れば70万円 * 10年 = 700万円
を70歳になるまでに支給されていることになる。
70歳に繰り下げて受け取る場合は、60歳からに繰り上げた場合に対して+72万円もらえるから、
700 / 72 = 約9.7
約9.7年、80歳を迎える頃にお得になる。その後も倍以上もらえるわけだから、差は開くばかりだ。
65歳からは82歳まで
65歳から受け取れば100万円 * 5年 = 500万円
を70歳になるまでに支給されていることになる。
65歳から貰う場合に対しては、70歳へ繰り下げしたら+42万円もらえるから、
500 / 42 = 約11.9
約11.9年後、82歳の誕生日までには上回ることになる。
長生きリスクに対するヘッジとして考えるのであれば、繰り下げた方がずっといい。
もちろん、70歳までの生活に問題がない場合だ。
年利6%の複利で運用する場合
ただ、繰り下げられるということは収入に余裕があるということであるから、むしろ受給を60歳に繰り上げて、支給されたお金を自ら運用するという選択肢も当然検討されて良い。
6%複利で運用した場合の資産
60から | 65から | 70から | |
---|---|---|---|
64歳時点 | 394.6 | 0 | 0 |
69歳時点 | 922.7 | 563.7 | 0 |
繰り上げを行えば、69歳時点で900万円を超える資産になる。
これは、確かに魅力的ではある。
70歳で運用をやめた場合
それでは、70歳で運用をやめた場合、損益分岐点はどのようになるだろうか。60歳からもらっていた場合に対して、
922.7 / 72 = 約12.8年
65歳からもらっていた場合に対して、
563.7 / 42 = 約13.4年
まったく運用しなかった場合に比べて多少伸びてはいるが、それでも82歳83歳という年齢になれば、繰り下げした方が得だったことになる。
長生きリスクヘッジであれば、やっぱり繰り下げたい。
100歳まで運用し続けた場合
副収入が十分にあって、年金に全く手をつける必要がない場合を考えてみよう。この場合、目的は長生きヘッジではなく、資産の最大化になる。
この場合の損益分岐点は90を超える。
逆転の瞬間を表でみてみよう。
年齢 | 60から | 65から | 70から |
---|---|---|---|
90 | 5936.12 | 5915.64 | 5678.97 |
91 | 6362.28 | 6370.58 | 6161.71 |
- | |||
94 | 7800.43 | 7905.82 | 7790.76 |
95 | 8338.46 | 8480.17 | 8400.21 |
- | |||
97 | 9513.29 | 9734.32 | 9730.99 |
98 | 10154.09 | 10418.38 | 10456.85 |
90歳以上長生きするのであれば、繰り下げが得になってくる。
年金だけで億り人になれる可能性があるというのは、実に愉快である。
年金を運用に回せるのはそもそも資産家であろうが。
パフォーマンスによるので注意
以上の計算は6%というパフォーマンスによるものなので注意。パフォーマンスが高ければ繰り上げが有利になり、低ければ繰り下げが有利になる。
繰り上げが逆転を許さなくなるのは、8%のパフォーマンスから。
面白いので、いろいろ計算してみたらいいと思う。
可能なら繰り下げが一番いい
無リスクで収入が増える繰り下げが結局一番!死ぬまで運用し続けるなどほとんどの人にとって論外だし、
ある程度運用したところで配当金を生活費に当てるにしても、年6%だと、70歳繰り下げのキャッシュフローを上回ることはない。
8%のパフォーマンスを出せるなら別だけど、老後にそんなリスクとる?
結局自分が面倒を見ることになる自分の親になら、老後の刺激としてパフォーマンスを追うことを勧めるけど。
(もう繰り上げちゃったみたいだし)
ということでござった。
mican
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