【書評】ピーター・リンチの株で勝つ

米国株投資関連ではじめて読んだ本となった。
今まで偉そうに書いていながらはじめてなのかよと、自分でも恥ずかしい気持ちはないことはないが、ひとまず記念すべきであろう。
『ピーター・リンチの株で勝つ』、大変な良書であった。

どうもmican(@kata_mican)と申す。




子供にも説明できる「ストーリー」を

本のタイトルから勝手に投機的な手法なのかと思っていた。
これがとんでもない。ひたすらオーソドックスな投資のキホンのキといった内容だった。

20%の上昇で自動的に利食いすることもないし、10%の下落で自動的に損切りすることもない。
ピーターリンチが何より重視するのは(成長の)ストーリーだ。
ストーリーが完結したら利確するし、思惑通りに進まなければ損切りする。

このストーリーは2分で子供に説明できるようなものでなくてはならない。

micanも投資の世界ではほんの子供だ。
だからこそ儲かるシナリオ、勝ち筋というのを非常に重視していて(むしろそれくらいしか考えが及ぶところがない)、それでこそ納得感のある投資ができる。
(参考記事)QQQVHTAmazon

納得感は不用意に退場しないためにも重要な要素だろう。
レバレッジをかけていないのなら、退場というのは自分の意志でするものだ。


株のカテゴリーごとにストーリーの型が違う

ピーターリンチは「一般的な分類」としながら6つのカテゴリーを導入する。
「低成長株(公共株など)」「優良株(KO、PGなど)」「急成長株」「市況関連株」「業績回復株」「資産株」である。

低成長株ならば配当を重視したストーリーになるし、優良株なら割安性や今後の成長の見通し、急成長株なら成長のスピードと天井が特に意識される。

ストーリーによって買えるタイミングも違うし、売るべきタイミングも当然違う。
優良株でテンバガーを目指すのは無理があるし、急成長株の早すぎる利確は機会損失をまねく。
一律の基準ではかれるものではなく、事前に想定していた個別のストーリーによるのだ。

これをはっきり書いてもらえたのはありがたい。


事業の多角化は「多悪化」になりかねない

「多悪化」。
この言葉も印象に残った。

ピーターリンチの言葉を受けてmicanが思ったことであるが、

タバコ企業はタバコ事業の高収益を余計な多角化によって薄めるのではなく、効率的なシェアの拡大と配当に力を入れるべきである。
シナジーのある投資先がないのであればタバコとともに滅べばよい。

シナジーのある投資先がまったくないとは思わない(マリファナを念頭に置きつつ)が、
投資は基本的に、投資家である株主の仕事である。

もちろん企業は従業員を食わせていかなければならないというのも事実であろう。
しかしmicanとしては、労働力が資本とせめて同じ程度に効率的に流動する社会が望ましいと思うし、そうなるように投資をしたい。


今後の読書方針

今後も、電子化されてる投資本は積極的に読んでいきたいと思う。
紙の書籍にも名著はあるだろうが、電子化しない出版社にひとりの零細投資家として金を落としたくない。
部屋のスペースだって貴重な資源である。

『ピーター・リンチの株に勝つ』のオリジナルは1980年代に書かれたものでありながら電子化されているというのが素晴らしい。


ただ、本によっては翻訳書が電子化されていなくても原著は電子化されているということもあると思うので、英語の勉強も兼ねてそちらを読むのもよい。
「日本語ネイティブ」ではなく「デジタルネイティブ」として生きよう。

mican


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