HDVは経費率0.08%のアクティブファンド!?


バイ・アンド・スタディ。HDVについて調べてみる。
どうもmican(@kata_mican)と申す。

日本語では「iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF」

まず検索してみて驚くのが、ブログを中心として、日本語の情報がとても充実していることだ。
日本人が好きな銘柄であることは間違いないのだろう。

基本情報

全部ブラックロックのサイトから転載。

  • 経費率0.08。
  • 分配金利回り3.43%(2017/12/29)
  • PER 21.18(2018/1/12)

年率リターン(2017/12/31)

1年 3年 5年 10年 設定来
HDV 13.36 9.39 12.74 - 12.67
インデックス 13.45 9.50 12.95 - 12.97

保有比率

保有銘柄数としては、「キャッシュ等」と表示されているものを除いて74あった(一応数えた)。

組み入れ上位10銘柄(2018/1/12)
ティッカー 業種 保有比率(%)
XOM エネルギー 9.17
T 電気通信 8.12
VZ 電気通信 6.51
CVX エネルギー 6.05
PFE ヘルスケア 5.18
WFC 金融 4.88
PG 生活必需品 4.56
PM 生活必需品 4.14
CSCO 情報技術 4.14
KO 生活必需品 3.72
業種別の保有比率(2018/1/12)
業種 保有比率
エネルギー 20.84
生活必需品 20.54
電気通信 14.63
情報技術 11.83
ヘルスケア 8.84
公益事業 8.56
金融 7.17
資本財・サービス 4.41
一般消費財・サービス 2.65
キャッシュ 0.53

エネルギーや生活必需品が高く、情報技術や金融が比較的低い。
多くのブロガーさんは、VYMを念頭に置きつつ、これを「ディフェンシブな構成」とおっしゃっているように思う。

関連していうと、9月の銘柄入れ替えでJNJが消えヘルスケアの割合が下がったのだそう。
《Grow Rich Slowly》さんの該当記事

HDVはスマートベータ連動?

まずスマートベータってなによという話。

普通指数といったら時価総額に注目するものだけれど、財務指標やらなんやらの他の要素を基準として取り込んだ指数、らしい。

S&P 500とか調べたときにも財務指標の基準とかあった気がするけど……気にしない。
まあ、活用の度合いが違うんでしょ。

それで、HDVはなんの指標に連動しているかというと、 モーニングスター配当フォーカス指数(Morningstar Dividend Yield Focus Index)。

「モーニングスター配当フォーカス指数」の構成銘柄はどう選ばれるの

正直次のPDFを読んだ方が話が早い。
https://www.ibbotson.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/Morningstar-Dividend-Yield-Focus-IndexJapanese.pdf

要約すれば、

  • まず候補を選ぶよ。モーニングスター・エコノミック・モート評価の評価を受け、かつモーニングスター・デフォルト懸念スコアの上位50%に入ってる企業、あるいは、エコノミック・モート評価は受けてないけどデフォルト懸念スコア上位30%に入ってる企業が候補だよ

モーニングスター・エコノミック・モート評価:企業のビジネス構造や独自性を分析して持続的な競争力を評価するよ
モーニングスター・デフォルト懸念スコア:企業のデフォルトの可能性を評価するよ

  • 候補企業の配当利回り上位75銘柄を選ぶよ
  • さらに企業規模・配当利回り・不動株数に基づいてウェイト付けもするよ

ということになるだろうか。
って、なんじゃそりゃー。

一応まとめると、銘柄選定には3つの数字が関わってくる。

  • 配当利回り
  • モーニングスター・デフォルト懸念スコア
  • モーニングスター・エコノミック・モート

響き的にわかりやすそうな方から並べた。

ウェイト付けは今回は考慮せず、銘柄選定の基準だけ見ていくよ。

配当利回り

客観的に評価できる数値です。問題ありません。
はい、次。

モーニングスター・デフォルト懸念スコアの中身

またPDFをダウンロードさせられてしまった。
なんだかよくわからないので原文も置いておく。
「Morningstar Distance to Default」で検索して出てくる「Credit Rating Methodology Draft - Morningstar」の17ページを開いてくださーい。(うそです。引用部分は読み飛ばして大丈夫)

引用部分に出てくる[0,1]パーセンタイルってのは、1を最大とする小数(0.98とか)で表されるパーセンタイルって意味だと思う。多分。

Step 1: Calculate annualized trailing 300 day equity total return volatility (EQVOL)
ステップいち! 年換算300日株式トータルリターンボラティリティを計算します!(リターン変動率?)

Step 2: Calculate current enterprise value / market cap ratio (EVMV)
ステップにい! 現EV / 時価総額 レシオを計算してね! (enterprise valueで調べてね!) 

Step 3: Transform EQVOL into a percentile [0, 1] by ranking it relative to all other stocks in the calculable universe (EQVOLP). 1 represents high equity volatility, 0 represents low equity volatility.
ステップさあん! ステップ1で計算した数値を、他の計算可能な全株式との比較でランクをつけることでで[0, 1]のパーセンタイルに変換してね(1はボラティリティがおっきくて0は小さいって意味だよ)

Step 4: Transform EVMV into a percentile [0, 1] by ranking it relative to all other stocks in the calculable universe (EVMVP). 1 represents high leverage companies, 0 represents low leverage companies.
ステップよん。ステップ2で計算した値を、他の計算可能な全株式との比較でランクをつけることで[0, 1]パーセンタイルに変換してね。(1はおっきなレバレッジかかってて0はあんまりかかってない会社さんだよお)

Step 5: Calculate new raw DTD = 1-(EQVOLP + EVMVP + EQVOLP*EVMVP)/3
ステップごお。ステップ3とステップ4で計算した数値からまたなんか計算してね。

Step 6: Transform new raw DTD into a decile [1, 10] by ranking it relative to all calculable US-domiciled stocks. 10 represents poor financial health while 1 represents strong financial health.
ステップろっく。他の株式との比較で10段階評価に直してね。10はやばい。1はスッゲー健康。

はい。
要するに、客観的に算出可能な指標であるということだと理解しました!!! (合ってる?)
個人的には問題ないとします。

あと大事なこととしては、このデフォルト懸念スコアは完全に相対評価だということ。
この相対評価で上位50%にいないと、自動的に指数(そしてHDV)から脱落です。

問題は「モーニングスター・エコノミック・モート」

はあ。 リンク置いとく。
エコノミック・モートの解説(英語)

ネットワーク効果とかあ、無形資産とかあ、スイッチングコストとかあ、そおゆー強みおー、評価したみたいなー?

確かに客観的とは言えないかもしれない。
だけど個別株に投資するときも事業内容やマーケットシェアから安全度が高いとか低いとか言ったりするわけで。
そのものずばり「ワイドモート」なんて評価したりする。

《アメリカ株でアーリーリタイアを目指す》
最初からこちら参照すればよかったですわ。

とにかく、そういった評価を効かせた分散投資が簡単にできるという意味で、悪くはないのではないでしょうか。

モーニングスター社の評価を基準に加えて、経費率は0.08%。

数値化しにくい要素を数値化する意義ってここにあるんだな。
格付け会社の存在意義を知った。

確かにスマートベータよりはアクティブな感じ

少なくとも冒頭で確認したスマートベータの定義には収まるものではなさそう。

それでも完全に客観的な部分もある(たぶん)

エコノミック・モート評価を受けてなくてもデフォルト懸念スコア上位30%に入っていれば候補になり、候補になってしまえば配当利回り次第なので一応(たぶん)完全に客観的な部分は残ってる。
これも大事なところかなと。

はい。

2017/1/17 mican


《スポンサーリンク》

0 件のコメント :

コメントを投稿